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SR合成起伏堰とは? | What's the "Pneumatically Operated Spillway Gates"? |
「SR合成起伏堰」は、鋼製起伏ゲートとゴム引布製起伏堰の長所を活かしながら、安全性と経済性の向上を図り、水位調節や流量調節を行うために開発された起伏ゲートの一種です。
ポリエステル繊維で補強されたゴム引布製空気袋を圧縮空気により膨張させ、鋼製の扉体を起伏させます。空気を圧力媒体としているため経済性に富み、環境を汚染するおそれがなく、空気袋への流木・転石・土砂・流氷などによる衝撃は鋼製の扉体が受けるため、耐久性に優れています。
一般河川・水路・ダム・貯水池などの水位調節や流量調節に優れた性能を発揮するSR合成起伏堰は、米国オーベルマイヤー・ハイドロ社が細部にわたる技術革新を重ね、安全性・経済性・環境への配慮など卓越した効果を実現した最新の工法です。
![]() 犀川発電所取水口 中部電力(株)様(長野県安曇野市) |
![]() 雨畑ダム洪水吐ゲート 日本軽金属(株)様(山梨県早川町) |
![]() 大久保堰頭首工機械設備 東北地方整備局様(秋田県湯沢市) |
その優れた技術を評価され、河川、水路、ダムの頂部、貯水池等の余水吐等の水位、流量制御用起伏ゲート『SR合成起伏堰』として、財団法人土木研究センターより技術審査証明を取得しました。
(平成12年12月19日 技審証第1223号)
米オーベルマイヤー・ハイドロ社(Obermeyer Hydro, Inc.)の紹介 http://www.obermeyerhydro.com/SpillwayGates
Obermeyer Hydro Inc. は1988年に社長であるヘンリー・オーベルマイヤーの全額出資により設立され、水理工学の権威であるコロラド州立大学水理研究所との共同研究により優れた水理工学技術を世に送り出してまいりました。
これらの技術のSR合成起伏堰への応用において、まくら状空気袋・ヒンジクランプ部などの主要部位で特許を取得しており、その卓越したアイディアと先進技術は世界中から注目を集めています。
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SR合成起伏堰の特徴・利点 | Point |
特徴 | 解説 |
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構造 | 鋼製の扉体とゴム引布製空気袋の組合せによる簡単なユニット構造で、中間ピア(堰柱)を設けず堰幅拡張が可能(最大実績幅296m)です。また、扉体が流石や流木の直撃による空気袋を損傷から保護します。堰側面は直立壁であり既設の鋼製ゲートからの交換が容易に行えます。 |
水位の 自然調整 |
SR合成起伏堰の自然起伏運動について |
自動制御 | 水位と扉体の起立高を管理して水位と流量の電気的自動制御が可能です。 |
安定性 | 振動・Vノッチ現象がなく全ての開度で極めて安定しています。 |
経済性 | 純径間と等分割した堰幅の単位ゲートで構成される単純な構造で、設計費・材料費・運搬費・加工費・据付費が大幅に低減できます。 |
施工性 | 単位ゲートに分割した結果全ての部材が、寸法が小さく重量の軽量化が実現したので運搬、据付、維持管理の施工性が向上しました。 |
維持管理 | 起立・倒伏操作が容易であり点検整備はコンプレッサーの結露の排出とフィルターエレメントの交換程度で簡単かつ容易です。 |
環境面 | 簡単な構造で景観に優れ、ゴム引布製空気袋の圧力媒体は空気を使用しており環境汚染の心配がありません。 |
アンカー | ゴム引布製空気袋のくさび部と扉体に連結する定着ゴムのくさび部を一括してクランプと主アンカーボルトで基礎に固定します。主アンカーボルトが空気袋のゴム引布を貫通しないので、漏気がなく、安定して確実に固定します。 |
洪水時 | 洪水時の自動倒伏操作は、電気式と機械式の2方式を設備して安全性と確実性を確保しています。 |
SR合成起伏堰の自然起伏運動について
SRゲートは、扉体に作用する倒伏モーメントと釣合う空気袋の支持力によって起立するので、河川の流量が増加すれば、越流水深の増加によって扉体が自然に少し倒伏してゲート上流水位の上昇を軽減します。
逆に河川の流量が減少すれば、越流水深の減少によって扉体は自然に少し起立してゲート上流水位の低下を軽減します。
SRゲートには、このように河川流量の増減に対応した自然の起伏運動があるため、自動倒伏操作の頻度を減少させるので、ゲート管理のための手間と電力使用量を軽減する効果があります。
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構造図 | Structure |
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従来の方式との比較 | Comparison |
特徴 | SR合成起伏堰 | ゴム引布製起伏堰 | 油圧押上式鋼製起伏ゲート |
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構造 | ゴム引布の板で河床に繋留した鋼製扉体をゴム引布製の袋に空気を圧入して起立させ、排出して倒伏させる構造。 | 河床に固定したゴム製の袋体の内部に空気又は水を圧入し起立・倒伏させる構造。 | 回転軸により河床に強固に固定された鋼製扉体を油圧ジャッキで起立・倒伏させる構造。 |
水位調整 | 水位調節・流量調節が可能。 | 起立と倒伏が基本で調整は限定的。 | 水位・流量調整が可能。 |
堰幅 | 幅0.5~7mの鋼製扉体と空気袋の対の単位ゲートを連続接続して径間を構成する。 | 約40m以下の間隔で中間ピア(堰柱)を要する。 | 約40m以下の間隔で中間ピア(堰柱)を要する。 |
輸送・据付 | 単位ゲートの部品は寸法が小さく、重量が小さいので輸送・据付が容易。 | 大きいものは輸送・据付に大型重機が必要。 | 大きいものは輸送・据付に大型重機が必要。 |
転石対策 | 鋼製の扉体がゴム引布製空気袋を保護するので安全。 | 保護層を外部に貼り付けたり、クッション材を内部に貼り付けたりするが、損傷を受けることがある。 | 鋼製扉体が油圧ジャッキを保護するため安全。 |
振動 | 有効なスポイラの設置により防止。 | 基準超流水深を超えると起こり得る。 | 有効なスポイラの設置により防止。 |
Vノッチ現象 | 発生しない。 | 倒伏時に発生。 | 発生しない。 |
空気乾燥器 | 必要 | 必要 | 不必要 |